利益率が高いのは、大きなリスクをとっているからであり、この点は金融機関のレバレッジが他の業界の企業よりはるかに高い点をみればあきらかだ。
しかし、完全な自由市場であれば、高リスクで高リターンを確保する時期があっても、巨額の損失をこうむる時期があって、平均すれば利益率が下がるはずである。
だが金融業界では、高収益の時期には幹部と株主が潤うが、損失がでれば一部を社会が負担するのが通常だ。
CW・ファイナンシャルの例を見てみよう。
2007年夏に住宅用モーゲージ証券市場が危機に陥ったとき、同行はレポ市場で資金を調達できなくなった。
銀行間でごく短期の資金を貸し借りするために普通に使われているのがレポであり、この市場での借り入れが6月から9月までに3百億ドル減少したのである。
これだけの資金を他の市場で調達できなければ、経営が破綻するか、残った優良資産を投げ売りするしかなかっただろう。
ここで登場したのがアトランタ連邦住宅貸付銀行であり、2百20億ドルの資金を新たに提供し、CWに対する与信枠を510億ドルに拡大した。
この融資はモーゲージ・ローンを担保にしており、連邦住宅貸付銀行は担保掛け目を50パーセントにまで引き下げることができるし、提供された担保には「略奪的な性格のローン」はないという。
CWの事業にはぞっとしない面がたくさんあるが、アトランタ連邦住宅貸付銀行の行動はおそらく賢明だったとみられる。
モーゲージ証券市場はすでに暴落状態にあり、同行の破綻を防いだことで、はるかに深刻な事態になるのを防げたともいえよう。
だが、これこそWの主張している点なのだ。
CWのCEO、A・Mは2006年に4千800万ドルの報酬を得ており、株価が暴落する前に自行の株式を売って、1億ドルを手に入れている。
株主はこれだけの報酬を支払う価値があると考えたはずである。
株価が力強く上昇していたからだ。
しかしCWはきわめてリスクの高過去25年間、金融業界はアメリカの経済成長を支える点で突出した地位を占めてきており、この点がここで論じてきた動きの主因なのではないかとも思える。
商業銀行と投資銀行の大統合によって、巨大な金融機関が生まれ、高額の報酬を得る経営幹部が大幅に増加した。
現在複数事業を展開していて、何年にもわたり現金が流出し、その分を借り入れでまかなってきた。
2007年になって、何年にもわたる高リスクの付けがついに回ってきて、Mも株主もそれまでの利益をすべて失いかねない事態になった。
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